精神科病院で教えているストレスを感じない方法6選

「仕事が忙しくて毎日しんどい」
「人間関係で悩み、ゆううつな気持ちになる」
仕事や人間関係の問題など、多くの人がストレスを抱えながら日々生活しています。

ストレスの原因は様々ですが、慢性的にストレスを受けると心の健康に悪影響を及ぼし、うつ病になってしまう可能性があります。

本記事では精神科病院に勤務する筆者が、ストレスへの対処法を6つ解説していきます。

  • マインドフルネス(瞑想して自分に集中する)
  • 適度な運動
  • 良質な睡眠
  • バランスの取れた食事
  • 趣味や楽しみを持つこと
  • アサーティブコミュニケーション(人への伝え方を工夫する)

ストレスの適切な管理法を身につけるのは、心の健康を維持するために非常に大切です。
ぜひ、最後まで読んでみてください。

目次

ストレスを感じるとは?

私たちは外部から刺激を受けると、ストレスに適応しようとします。
ストレスを受けると交感神経系が活性化しアドレナリンやコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌され、心拍数や血圧などを上げて「戦闘モード」に切り替わるのです。

また、ストレスには急性的なストレスと、慢性的なストレスの2種類があります。
急性的なストレスは一時的な刺激のためパフォーマンス向上に繋がりますが、慢性的なストレスは長期に及ぶと心の負担になってしまいます。

具体的な症状は以下のとおりです。

  • 記憶力や集中力が下がる
  • 感情のコントロールがうまくいかない
  • 何をしても気持ちが上がらない
  • 死にたい気持ちになってしまう

ストレスが原因でうつ病になってしまうケースは多いです。日常生活でなるべくストレスを溜めない工夫をしましょう。

ストレスを感じない方法6選

日常生活で取り入れやすい方法を6つ紹介します。

  • マインドフルネス(瞑想して自分に集中する)
  • 適度な運動
  • 良質な睡眠
  • バランスの取れた食事
  • 趣味や楽しみを持つこと
  • アサーティブコミュニケーション(人への伝え方を工夫する)

聞きなれない言葉もあるかもしれませんが、一つずつわかりやすく解説していきます。

マインドフルネスの実践

マインドフルネスとは、様々な雑念を取り払い頭の中の混沌状態をリセットする方法です。マインドフルネスのやり方は以下のとおりです。

  1. 椅子に座って目をつぶり、呼吸をしている自分にだけ集中しその他のことは考えないようにする。
  2. 10分間は自分の呼吸にだけ意識を向け、吸って吐いてまた吸って吐いてを繰り返す。

実践方法は非常に簡単です。

私たちは日々些細なことで考えても解決しない事象を、繰り返し考えてしまう生き物です。
その過程の中で不安や心配、動揺や恐怖などのマイナス感情に陥り、ストレスを感じてしまうケースは多いでしょう。

マインドフルネスは、そのような感情を生むのを防ぐ非常にシンプルな方法ですが、ポイントが3つあります。

  • 10分間の時間確保は自分が一番リラックスできるタイミングにする。
  • 「明日は何時に起きようか」「仕事の進捗状況を確認しなけば」などいろいろな思考が巡ってきても、都度自分の呼吸にのみ意識を引き戻す。
  • 呼吸する際の息遣いや腹部の動きなどに意識を向け、それ以外の余計なことは考えない。

マインドフルネスは、脳内で余計なことをあれこれ考える余地をなくし、ストレスを感じにくくさせます。
ぜひ、日常生活や職場など様々な場面で使ってみてください。

 良質な睡眠

十分な睡眠はストレス管理に不可欠なため、7時間〜8時間は睡眠時間を確保しましょう。

人間は寝ている時に頭を休ませてストレスを放出させているため「いやなことは寝て忘れる」は理にかなっています。
まずは睡眠時間をしっかり確保した上で、次に睡眠の質をあげましょう。

良好な睡眠習慣を確立するための4つのポイントは以下のとおりです。

  • 規則正しい睡眠をとる
  • 寝室の環境を整備する(適度な温度、湿度、遮光、静音など)
  • 就寝前にリラックスする(マインドフルネス、読書、ストレッチなど)
  • 就寝前のカフェインやアルコールを避ける

ぜひ、意識してみましょう。

バランスの取れた食事

ストレス管理にはバランスの取れた規則正しい食事が大切です。

西洋型の食事(加工食品、小麦、砂糖を多く含む)はうつ病のリスクを高める傾向がある一方で、 地中海食(野菜、果物、全粒穀物、魚介類、オリーブオイルを多く含む)は、うつ病のリスクを低下させます。

ビタミンB6やトリプトファンは肉類や大豆製品に多く含まれ、うつ症状を改善させるセロトニンの合成に関与しています。
また、オメガ3脂肪酸(EPA、DHA)は魚油や海藻などに多く含まれ、脳の機能や気分の調整に重要な役割を果たしています。

ぜひ、これらの栄養素を豊富に含む食品を積極的に取り入れましょう。

 適度な運動

ストレスを感じていて気持ちが落ち込んでいる時こそ、外に出て日光を浴びながら運動するとストレス解消につながります。

実際、運動によってストレスホルモンの分泌が抑制され、セロトニンやドーパミンなどの幸せホルモンの分泌が促されると論文で報告されています。軽いウォーキングからでもいいので、ぜひ気軽な気持ちで外に出てみるのをおすすめします。

趣味や楽しみを持つこと

好きなことに没頭している時はストレスや不安から解放され、充実感や幸福感を感じられます。
誰でも得意なことや好きなことは必ず1つは存在するはずですが、自分の「得意」や「好き」に気づいていない人が多いのです。

筆者は日々患者さんと接する中で「何が好きなのか?」「何に興味があるのか?」を些細な会話から引き出し、趣味や楽しみを見つけるお手伝いをしています。自分一人では気づかない「潜在的に自分の心が喜ぶこと」を見つけられれば、患者さんの表情も明るくなることを知っているからです。

アサーティブコミュニケーションの実施

アサーティブコミュニケーションとは、自分の意見や感情をしっかり相手に伝えつつ、相手の主張も尊重しながら表現するコミュニケーションスタイルです。

アサーティブコミュニケーションは「私主体」で意思を伝えるのがポイントです。たとえば「あなたはいつも遅刻するから困る」という「あなた主体」ではなく「あなたが遅刻すると私は困ってしまう」という「私主体」の表現を使います。

相手の意見にも耳を傾け、Win-Winの解決策を見つけて、人間関係のストレスを軽減しましょう。

ストレスを感じない方法を実践して心をいたわろう

仕事やプライベートなど様々な場面で私たちは日々ストレスを抱えています。
ストレス管理において最も重要なのは、自分自身の心のケアです。

本記事では、ストレスを感じない方法について以下の内容を解説してきました。

  • マインドフルネス(瞑想して自分に集中する)
  • 適度な運動
  • 良質な睡眠
  • バランスの取れた食事
  • 趣味や楽しみを持つこと
  • アサーティブコミュニケーション(人への伝え方を工夫する)

ぜひ、自分に合ったストレス対処法を見つけて日常生活に取り入れ、上手にストレスとつきあっていきましょう。

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この記事を書いた人

薬剤師。大学卒業後、調剤薬局→派遣勤務(治験コーディネーターや製薬メーカーでの薬相談窓口対応)→精神科病院勤務。医療ライターとしても活動中。うつ病などの精神疾患を予防・再発予防するための発信をSNSで「薬を飲まないためのメンタルヘルス」として行っている。

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